絵の値段について


★絵の値段の付け方には「ルール」がある

絵の値段の付け方には「ルール」があります。以下に書くのは当店だけでなく、ほぼ業界全般で共有されている、標準的な値付けのルールです。係数などはお店によって若干差があるかとは思いますが、 基本の原則そのものは、どのギャラリーでもそう変わりません。



★絵の価格は面積で概ね決まる

絵の値段というのは原則的にサイズで決まります。一般に号単価 x 号数で絵の値段は決まります。 材料費が大きく異なる(貴金属を使っているなど)といった合理的な理由がない限り、同一サイズのものは同じ値段になります。たとえば、

号1万円の作家さんの場合:3号の絵=3万円、6号の絵=6万円
号2万円の作家さんの場合:3号の絵=6万円、6号の絵=12万円

と、このように絵の値段は決まります。「この絵は割と短時間でかけたから少し安めに」とか「この絵は思い入れがあるから高めに」とかいった価格設定はできません。

ギャラリーを始めて間もない頃は、面積で値付けがされるという慣行に疑問を持ったこともあり、一般的な値付けとは異なる方法を試したこともあったのですが、無用のトラブルを招いただけでした。 これは長い時間をかけて、多くの作家、ギャラリー、コレクターさんたちが形成してきた商慣習で、そう簡単に誰かが変えることはできません。 何卒ご理解、ご協力いただきますようお願いいたします。



★いったん決めた価格は下げてはいけない

絵の値段は、いったん決めたら基本的には下げてはいけません。たとえば2年前に描いて3万円で売りに出したが売れ残った絵を、なかなか売れないから2万円にしよう、といったことはできません。 もしやってこれが人に知られると、その画家さんはコレクターやギャラリーの信用を失うことになり、活動の範囲は狭まることになります。逆に、上げる場合はかまいません。 ただ、いったん上げたらその値段で出し続けなければなりません。



★違うギャラリーに出す場合、多少の変動はOK

ただし、違うギャラリーに出す場合、内税や外税、数字の丸め方など、お店によって値付けや販売のルールはそれぞれ異なります。このため、数千円程度の価格差であれば、そう問題になることはありません。 出品先のギャラリーと相談の上、そのお店のルールに従って値付けを行なってください。



★F規格でない場合の値付けは?

カンバスにはF何号というF規格のほかに、P、M、Sといった規格があります。この場合、少しお値段も変わってきますので、下記のように計算してください。

P規格の場合:0.8倍してください。
M規格の場合:0.7倍してください。
S規格の場合:1.3倍してください。
下記は値付けの例です。

 号10,000円の場合  F P M S
 3号  30,000 24,000 21,000 39,000
 4号  40,000 32,000 28,000 52,000
 5号  50,000 40,000 35,000 65,000



★小さな絵の場合は少し上げる

ただし、F0やSMサイズなどの場合は面積なりの値段をつけてしまうと、あまりに安くなりすぎます。このため号1万円の方であれば、 SMは2万5千円あたりで価格設定します。百円台の数字は丸めてもらってかいまいません。

 号10,000円の場合  F P M S
 0号  20,000 26,000
 1号  23,000 18,000 16,000 29,000
 SM  25,000 32,000
 2号  26,000 20,000 18,000 33,000



★大きな絵の場合は少し下げる

逆に大きな絵の場合、若干割安に設定するのが一般的です。10号を超えたあたりで10%引き、50号を超えたあたりで20%引き、100号以上は30%引きといったあたりが標準でしょうか。当店で展示できる最大サイズは100号です。

 号10,000円の場合  F P M S
 10号  90,000 72,000 63,000 117,000
 20号  180,000 144,000 126,000 234,000
 40号  360,000 288,000 252,000 468,000
 50号  400,000 320,000 280,000 520,000
 100号  700,000 560,000 490,000 910,000



★A、Bサイズはどうしたらいい?

似たサイズのカンバスの価格から算出して、当店では下記のような目安を作っています。

 号10,000円の場合  A
 A6  15,000
 A5  22,000
 A4  30,000
 A3  56,000
 A2  90,000
 A1  190,000


 号10,000円の場合  B
 B6  18,000
 B5  27,000
 B4  50,000
 B3  80,000
 B2  140,000
 B1  290,000



★価格表まとめ(号単価1万の場合)

以下は号単価1万円の場合の価格表です。号単価2万ならこの倍、3万なら3倍という具合に値段は上がります。ただし下記はあくまでおよその目安ですので、多少の上下はあってもかまいません。

 号10,000円の場合  F P M S
 0号  20,000 26,000
 1号  23,000 18,000 16,000 29,000
 SM  25,000 32,000
 2号  26,000 20,000 18,000 33,000
 3号  30,000 24,000 21,000 39,000
 4号  40,000 32,000 28,000 52,000
 5号  50,000 40,000 35,000 65,000
 6号  60,000 48,000 42,000 78,000
 8号  80,000 64,000 56,000 104,000
 10号  90,000 72,000 63,000 117,000
 12号  108,000 86,000 75,000 140,000
 15号  135,000 108,000 94,000 175,000
 20号  180,000 144,000 126,000 234,000
 25号  225,000 180,000 157,000 292,000
 30号  270,000 216,000 189,000 351,000
 40号  360,000 288,000 252,000 468,000
 50号  400,000 320,000 280,000 520,000
 60号  480,000 384,000 336,000 624,000
 80号  640,000 512,000 448,000 832,000
 100号  700,000 560,000 490,000 910,000




★額装した場合の価格

額代プラスアルファを価格に乗せてください。上限は額代の2倍までです。たとえば号1万の方がF3号の作品を5千円の額で額装した場合には、 3万5千円〜4万円の価格をつけていただくことになります。



★号単価はいくらにすればいいか

初めて絵を出品するという方には号1万での値付けをお勧めしています。どうしても自信がない、学部在学中でそこまでは、という方は、号7千円くらいならありえるかもしれません。 その場合、上の表に0.7をかけて端数は丸めてください。

逆に人気、知名度が高まってくると、単価を上げていくことになります。適切な時期、タイミングで適切な幅の単価アップを目指していきましょう。